新井ビルについて

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五感と新井ビルの出会い

五感 浅田美明

初めて新井ビルの前に立った時、その歴史をたたえた本物の迫力に圧倒されたことを覚えています。2005年2月のことでした。「五感本館にふさわしい建物がある」と人に招かれた私は、工房からコックコートのまま北浜に向ったのです。北浜を歩くと、歴史ある店や企業、文化が街中から伝わり、古き良き大阪の本物の上質な雰囲気を残したまちという印象を受けました。
生まれ育った大阪の地で本店を持ち、大阪のお客様が誇りに思っていただける菓子をつくろうと2003年に五感を創業した私にとって、この北浜と新井ビルはすべてを賭けるに値する存在となりました。

創業からまだ1年余り、当時のオーナーの新井真一氏に直談判し、お菓子づくりへの思いや夢、そして「必ずこの新井ビルを大切にする。本店はここから移さない。」という決意を熱弁しました。新井氏も嬉しそうに、「君に任すよ」と、力強く握手をしてくださいました。
大阪・北浜をこよなく愛し、この歴史ある建物の保存に心血を注がれていた新井氏の思いを受け継いで、できるだけ建てられた当時の雰囲気を残して改装し、「五感・北浜本館」がオープンしました。
ここでお客様を迎えられることに感謝しつつ、五感らしいお菓子づくりにますます精進していく所存です。

新井ビル沿革

1922年(大正11年)
旧報徳銀行大阪支店として竣工。
設計は明治・大正期の名建築家、河合浩蔵
1934年(昭和9年)
舶来雑貨商を営む新井末吉氏が買い取り、新井証券の本社として利用
1997年(平成9年)
登録有形文化財に指定
2005年(平成17年)
五感北浜本館オープン
2013年(平成25年)
大阪市「生きた建築ミュージアム大阪セレクション」に選定

新井ビル概要

設計者の河合浩蔵氏(1856~1934)は、中央官庁に入省後、ドイツ留学を経て法務省旧本館、かつての司法省の実施設計を担当。神戸に事務所を設立し、日本人建築家の第一世代として活躍。円熟期になってもゼツェッション様式を取り入れるなど、常に新しいデザインに挑戦していました。新井ビルは氏の60代半ばの作品で、古典様式を残しながらもモダンなデザインとなっています。
1階は石貼り、2階以上はタイル貼りの4階建で、正面中央に列柱を配してシンメトリー(左右対称)のデザインとなっており、近代建築の美しさをたたえています。
2カ所ある入り口の左側が五感、右側が3、4階へつながる階段室で、戦前は階段室の中心にエレベーターがありましたが、戦時中の金属供出のため撤去され、現在は吹き抜けになっています。
五感の入り口を入ると1階がショップで、建築当初から使われていた奥の階段で2階に上がると、元の部屋割りをそのまま活かした喫茶サロンがあります。
高い天井、上質な調度類、銀行時代の面影が残る重厚な雰囲気が、訪れる人を近代モダンの世界へといざなってくれます。
登録有形文化財指定を受け、大阪の近代建築を今に伝える建物として多くのファンが訪れています。

新井真一氏プロフィール

大正3年
大阪府堺市に生まれる
昭和15年
東京帝国大学法学部卒業、商工省(現経済産業省)に入省
昭和40年
日本万国博覧会協会建設時事務総長
昭和42年
中小企業金融公庫理事、副総裁
昭和50年
大阪中小企業投資育成㈱社長
昭和51年
新井(株)社長
昭和60年
勲二等瑞宝章受章
昭和61年
大阪商工会議所副会頭
平成24年
逝去

新井真一氏の絵画作品をサロンに展示しています。

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